家から学校までチャリで15分

まだ間に合うな、良かった!


学校へ続く坂道をチャリンコに乗って滑り下りる。

春の匂いが、鼻をくすぐる。


桜が美しく咲き乱れ、新しい生活を静かに見守っていた。



校門の前に、生徒指導の斉藤(通称さっちゃん)が立っている。


「おう哲平!ギリギリセーフだな!でももっと早くこねぇとお前罰則つけっかんな」


ニヤッと笑いながらさっちゃんが声を掛けてくる。


「げっ!それは勘弁さっちゃん!」

「さっちゃん言うな!」