「わかってるよ、そんなこと。
渚はそういうことしないって、俺はわかってる。あの子もそのうちわかるよ」
「いつも……こうなんです」
渚は無表情のまま続けた。
「私が男の人といると、わけのわからない噂が次々とたつんです。そのうち、友達はみんな離れていきました」
渚の顔が、少しだけ寂しそうに見えた。
「だから、高校ではなるべく目立たないようにしようと思ってたんですけど…」
あ、俺が毎日クラスに通うから、そりゃ目立つわな。すまん。
「でも、もういいんです。きっと私のそばにいると、よくないんです。目をつけられるかもしれないし…」
「渚さぁ」
俺は渚の声を遮って、渚の目の前にしゃがんだ。
