「そんなつれないこと言うなよぉ〜。せっかくこれから仲良くしようって言ってるのに〜」
「私人と接するのが得意ではないので」
少し、暗い顔をして、渚は目を逸らす。
そういえば、あのときような笑顔はなくなっていた。
どこを見ても、なにを話しても今の渚は無表情だ。
パシッと渚の手をとる。
「じゃあ、俺で練習すればいい」
「練習って…」
「渚のあのときの笑顔、俺が取り戻すよ!人と接するのが苦手なら、俺がその相手をするよ!」
「いえ、そんなこと…
「いーから!」
そう言うと、俺は強引に渚と握手した。
「これからよろしくな、渚!」
渚はまだなにか言いたそうだったが、諦めたのか、俺の手を少しだけ握り返した。
「じゃあ…よろしくお願いします。
朝比奈先輩」