「そこに座って」
「はい……」
有無を言わせぬ渚の口調に、俺は縮こまって正座をした。
視線が痛い……
「まず……あなたは誰ですか。なぜ私の名前を知ってるんですか」
「………ん?」
え?誰ですかって……
「覚えてないのっ!?」
「え、会ったことあるんですか?」
至って無表情で、渚は問い返す。
「そんな……俺はずっと渚に会えるときを待ってたんだぜ?」
あまりのショックに少し涙ぐむ。
「ちょっと、泣かないで下さいよ。男なんだから…」
俺の耳がピクッと反応する。
「それッ!!!その言葉!!!
あのときも渚は今と同じこと言った!!!」


