間違えるハズがない。


俺はずっと、ずっとずっとずっと、



渚に会えるのを、心待ちにしていたんだ。



黒く艶のある長い髪。


白い肌に真っ黒に透き通った大きな瞳がよく映えている。


ふっくらとした頬と唇は、ほんのり赤い。



サラリと黒髪が揺れる。


「あ、咲希」


さっき渚の名を呼んだ子が駆け寄る。



「ホラ、次自己紹介やるって先生が!
はやく行こ!」


「え、いや、私そういうの得意じゃ…」


「いいから!はいっ、行くぞっ!」


「ちょっ…」





「あっ、おい、てっぺー!いいのか!?渚ちゃん行っちゃうぞ!」



「あ……」




咲希ちゃんに手をひかれて、渚が歩き出す。


そのとき、


ほんの少し、渚がコッチを見た






…………気がした。