そしてあたしは
朝のホームルームで
再び驚かされることとなる。





「××から転校してきた
高瀬 宏太(タカセ コウタ)です。
よろしくお願いします」

「って、高瀬くん!?」

「あ、佐山さん」





ヨッ!
とにっこり笑顔の高瀬くん。

まさか同じクラスになるとは…。





「んー知り合いかー?
まあいい、高瀬の席は
とりあえず即席で悪いが
廊下側の一番後ろなー。
じゃあみんな仲良く
やるんだぞー」



担任がダルそうに
朝のホームルームを終えると
みんなが高瀬くんの席に
集まっていった。



「俺、田中!よろしく!」

「あたし松川だよー!」

「こんな時期に転校なんて
大変だな!」

「ねえ凛と知り合いみたい
だったけどどうしてー?」





高瀬くん大変そー…。



あたしはわざわざ
席を立つのも面倒なので
窓際の自分の席から
それを見つめていた。



にしても高瀬くん、
ニコニコ愛想いいなあ。

昨日のあたしには
最初なんてすごい
作った笑顔しか
向けてくれなかったのに。



ちょっとむくれていると、
肩をポン、とたたかれた。



「妬くなよ」

「なっ…!
黙れ佐伯!!」