高校の最寄り駅につき、
学校までの道を歩く。



9月の半ばでも、
容赦ない暑さが
あたしたちを襲う。





つーか、今気づいたけど
この状況ってどうなの!?

高校生男女が一緒に登校!?
これっていわゆるリア充!?

それともこんなこと普通!?
慣れた人たちにとっては
こんくらい普通のことなのか!?
あたしの経験値が
少ないだけなのか!?!?





「うああああああ…」

「ちょ、佐山さん?
どうしたの?」





その時高瀬くんの問いかけも
耳に入らないあたしの横を
サッと自転車が通り抜けた。



自転車はあたしたちの
数メートル先で、キッと止まる。





「おい佐山ぁ!
お前抜けがけかよぉ!」

「はあ?
いきなり何なの佐伯!」

「昨日の帰りに
非リア同盟組んだろーがあ!!」

「そんな意味不明な同盟
組んだ覚えないわ!!
てか、待て!
高瀬くんは別にそーゆうんじゃ…」

「へえ〜…
タカセくんっつーのか〜…
そんで、タカセくんは
一体こいつのどこがいいの?」

「話を聞けぇ!」



あたしの言葉を無視して
佐伯は高瀬くんに近寄る。



「高瀬くん、
こいつ無視でいいから…」

「俺は、佐山さんは
面白くて優しい良い子だと
思うけど?」

「っ!!!」

「あ、じゃあ俺
職員室寄らなきゃいけないから!」





真っ赤になったあたしと
呆然とした佐伯を残して、
高瀬くんは走っていった。





「え、もしかしてまじで彼氏?」



佐伯の質問にも、
あたしはブルブルと
首を振ることしか
できなかった。