我に帰ってハッとすると、
高瀬さんのキョトン顔に出会う。





「あ、あの、ごめんなさい!
ついムキになっちゃって、
タメ口とかっ…」

「ぷっ…はははっ!
佐山さん、おもしろい人
なんですね」

「え?
はあ…」





予想外の反応だったが、
やっと彼の本当の
笑顔が見れた気がして
ひとまずホッとする。





「あ、これ、
母からのおかずです」

「ああ、ありがとうございます。
ところで、その制服って
○○高校のですよね?」

「あ、はい。
○○高校1年佐山凛です」

「あっ、1年なんだ?
俺も明日からその高校の1年!」

「そうなの!?
なーんだ、じゃあ最初から
タメ口で良かったのかー」

「ははっ、そうだね。
じゃあ、また明日、
もし会えたらよろしく」

「うん、おやすみなさい」







パタン…とドアが閉まる。



それから自分の部屋に
戻ったあとも、
高瀬君のあの本当の笑顔が
頭から離れないのであった。