少し唇が離れたかと思うと、
休む間もなく高瀬君の体重が
容赦なくのしかかってきた。







「ちょ、待って、高瀬くん…」





私の抵抗もむなしく
そのまま2人でソファに倒れこむ。





自分の真上に高瀬くんが
乗っかっていて、
さっき以上に
体はピッタリと密着。

高瀬くんはというと
私の肩に顔をうずめていて
その表情はわからない。







でももう心臓が限界…!!









「た、高瀬くんっ!」

「…スゥ」









ん?











まさかと思い、
力を振り絞って高瀬くんの
体を持ち上げてみると、

案の定、スヤスヤと眠る
高瀬くんの顔がわかった。







「な、何それ…」





さっきまでのドキドキは
一気に冷め、完全に拍子抜け。










それから、打ち上げが終わって
他の男子に起こされるまで
高瀬くんが起きることはなかったが、

それでもあの時の
唇の感覚だけは、
私は忘れることができなかった…。