空春〜ソラハル〜








…今、何時だ?



莉乃はまだ川原であいつと
しゃべってんのかな…。



そいつ誰だよ!
って啖呵きることも出来ずに、

かといってすんなり
帰ることも出来ずに、

じっと莉乃の家の近くで
突っ立ってる俺って…。



まじ、うぜえな。





莉乃との初デートとか、
告白の時のこととかまで
思い出し始めて…


自分でも笑えてくる。








「え?宏太!?」

「…莉乃」

「なに、来てたの!?
宏太から会いに来てとは言ったけど
まさかこんな早く
来てくれるなんてー!」

「ごめんな、黙って来て。
莉乃、映画だったらしいな。
どうだった?」

「…うん!楽しかったよ!
映画のあと女子トークしてたら
こんな時間になっちゃったー!」

「…そっか。
俺、帰るな」

「えっ!もう!?」

「うん。
ほんと、勝手にきてごめんな。
もう、二度と来ないから」

「は!?宏太!?
ちょっと…!」











さようなら…

莉乃。