------…



「うぅ〜…
ひっ、うっ、うぐぅ〜…」

「いい加減泣き止んでよ…」

「だっ、だって…っ!
今の映画っ、ずごい悲じい〜〜」

「俺が泣かしたと
思われんじゃん…。
あー、じゃあこの間の
ココアのお礼に、
クレープ奢ってあげるから!」

「えっ!?ほんとっ!?」

「立ち直りはやっ!」

「やったー!
宏太くん最高っ!!」

「…鼻水出てるよ」

「え゛っ!」

「うそ」

「ちょぉっと〜!!」

「はははっ!
くるくる表情変わるな」

「宏太くんあたしで
遊んでんでしょ!!」





------…





「お疲れ様でーす」

「はーい、莉乃ちゃんお疲れ様」



カランカラーン



「あれ、宏太くん?
もしかしてまた雨宿り?
ん、でも傘持ってるよね…」

「うん、今日は雨宿りじゃない。
窓から雨見てたら、
あの日のこと思い出して、
映画も楽しかったなって思って…」

「ん?よくわかんないけど、
雨も結構強いし、
一旦中入る?」

「や、待って!
そうじゃなくて、俺、今日は…」

「ん??」

「あの、急に押しかけてごめん!
バイト先まで来るとか
キモいかもしんないけど…
好きなんだ。
莉乃のこと。
俺と付き合ってください」

「…よろしく!
宏太!!」

「…!
よ、よっしゃあああああ!」……