いつも莉乃のバイトが終わってから
送りがてら2人で
歩いていた川原を歩く。
いや、そういえば
駅から家に帰る時も、
学校から自転車で帰る時も、
いつもこの川原通ったっけ。
懐かしみながら
のんびりと歩く。
たしか、莉乃と初めて
話したのは…
-------…
「やべー、降ってきた…」
傘、忘れたんだよなー…。
でも情けねえことに
賭けボウリング負けまくって
どっか入る金もねえんだよな今。
しゃーねえ。
いつまでも避難してたら
この店にも迷惑だし、
走って帰るか。
カランカラーン
「あれ、その制服、
あたしと同じ学校だ!」
「へ…」
「入りなよ、あたし莉乃。
ここでバイトしてんだ!
あんた名前は?」
「高瀬、宏太だけど…
ごめん、おれ今金ないから」
「いいよ、こんな雨の中
走って帰ったら風邪引くし!
てかすでに濡れてるし!
あったかいものでも飲んできなよ!
お代はあたしのバイト代から
ひいといてもらうから!
早く早く!!」
「あっ、ちょっと…」……

