駄目男、最低。

耳元で愛の言葉を囁きながら、


それでも山瀬先生はあたしを抱かなかった。


「なんで?」



乱れた服を直さず私は山瀬先生を見つめる。



「本気だから」



山瀬先生はクッと笑った。


「まあ生殺しなんで、一緒のベッドで多少の触れ合いはさせてもらうけど?」


悪戯にそう言うと、山瀬先生は私を抱き締める様に包んで、それからすぐに眠りに落ちた。


やっぱり山瀬先生は優しい。

抱いてくれたら良かったのに。



何もかも忘れるくらい。


いい加減な女にしてくれたらよかったのに。