駄目男、最低。

山瀬先生が触れる手は優しい。


やっぱり彼女を大事にするタイプだと思う。別に康介と比べる訳じゃないけどやっぱり比べているのかな。

山瀬先生はあたしの気持ちを見透かす様に笑った。


「比べろよ?」


薄い唇があたしを捕らえる。深いキスは慣れていて、細い舌が吸い付く様に絡まる。ツッと唾液が糸を引いて、山瀬先生はそれを赤い舌で舐めとった。



「俺は優しくないし、美和ちゃんが好きだから止めない。」



「彼氏との違い、感じてみろよ」



言葉よりも山瀬先生の整った顔はひどく優しくて、


戸惑ったのは確か。