駄目男、最低。

山瀬先生のマンションはこざっぱりしていて、趣味の良いインテリア。


「飲む?」


冷蔵庫から缶ビールを出してあたしに向ける。

「いらない」


この際どーだっていいからこの場所にいる。これ以上のアルコールは必要ない。


山瀬先生はあたしの横に座った。


絡まる視線にこれからの行動が見える気がして、どうにでもなれ、と思う。山瀬先生は、


「この状況で手出さない男いないと思うけど?」

フフンと笑う仕草は嫌みがなくてやっぱり整った顔をしてる。


「別にいいですよ」



そう言った自分の声は空虚で、彼氏と別れたばかりだろうが別の男に抱かれるいい加減な女なんだと薄く思う。



山瀬先生は苦笑してあたしの頬に触れた。