それから、居酒屋に行って小料理をつまみながら、山瀬先生の低い声にいつの間にか気がほぐれていた。
「…じゃ別れたのか?」
山瀬先生はグラスを口に運びながら言う。片手にもつ煙草の灰を慣れた仕草で落とす姿が妙に絵になっていて『男前』は得だな。なんて薄く思った。
「もういいわけ?」
「いいってゆーか仕方ないですよね」
「ふぅん。彼氏馬鹿だな」
「一生直んないでしょ」
何で山瀬先生にこんな話しているのか分からない。誰かに聞いて欲しかったのは確かで、多分誰でも良かった。
だけど、康介を責めるでもなくあたしに味方するでもなく客観的な山瀬先生の口調は正直有難かった。
「…じゃ別れたのか?」
山瀬先生はグラスを口に運びながら言う。片手にもつ煙草の灰を慣れた仕草で落とす姿が妙に絵になっていて『男前』は得だな。なんて薄く思った。
「もういいわけ?」
「いいってゆーか仕方ないですよね」
「ふぅん。彼氏馬鹿だな」
「一生直んないでしょ」
何で山瀬先生にこんな話しているのか分からない。誰かに聞いて欲しかったのは確かで、多分誰でも良かった。
だけど、康介を責めるでもなくあたしに味方するでもなく客観的な山瀬先生の口調は正直有難かった。

