駄目男、最低。

マンションを出た後、康介が返事を返せない時間帯を選んでメールを送った。

『別れましょう』



それだけ。


その後すぐ携帯は解約した。職場までは変われないけどそこまでする必要はない。男1人の為に人生変えたくない。第一、康介があたしがいなくなって辛いのかが疑問文だし。



―――――――――――――――……
――…



「…寝不足?」


山瀬先生があたしを覗き込む。整った顔立ちに苛つく。


康介と別れてからいつの間にか一週間。確かに最近眠れてない。だけど、


「別に」



そう言ってすぐ目を逸らした。多分酷いクマが出来てる。化粧で隠しても年齢と共に隠しきれなくなる。


「美和ちゃん♪飯でも行かない?」


山瀬先生はいつもの口調で僅かに眉を上げて言った。