駄目男、最低。

どうすれば康介にダメージを与えられるか考えたけど、何だか情けなくて考えるのを止めた。あたしがいなくなったら代わりに留美さんが傍にいるだけの話。むしろあたしが留美さんの『代わり』だったのかもしれない。卑屈に考えれば考える程、ゆっくり康介から気持ちが離れていって、すぐに飛び出したい衝動に駆られたけど、あたしは何事もなかったかの様に振る舞った。


荷物もあるし、新しい家も探さなくちゃいけない。


胸が痛む程、冷静でいられた。