駄目男、最低。

第一印象は、『あまり似てない』だった。康介がくっきりした濃い顔立ちならお兄さんは薄くて優しそうな感じ。唯一、その声だけよく似ている。


「あ、彼女?可愛いー!康介には勿体ない」


軽い口調でお兄さんはあたしと康介を交互に眺めた。


「名前は?」

「美和ちゃん。手出さないでよ兄貴。」

クイっと私に近づいたお兄さんの間に割る様に康介が遮った。


「言う様になったな、康介?美和ちゃんよろしくね、康介の兄の大和」



お兄さんは康介とよく似た笑顔で微笑んだ。