駄目男、最低。

「兄貴」

康介の横顔から視線を外して彼の目線の先を追う。
数メートル先の家の前に二人組の背中が見えた。


「あーにき」


康介の少しだけ 張り上げた声に僅かに振り向く背中。


「康介?何してんのおまえ」


低く上げた手を振りながら答えた男性は横にいる人に何か言ってからこちらに近づいた。


「兄貴探してたんだよ」

歩いてきたお兄さんは


「家で待ってろよ」


と面白そうに言う。