「おまえな…、」 啓吾のため息まじりの声。その後に続く言葉がなくて、一瞬視界がぼやけた。 駄目だ、あたし啓吾と一緒にいてもなにひとつうまく出来ない。 可愛いくもなれない。料理も出来ない。一緒にいて楽しい、筈なんてない。 逃げ出したい気持ちをこらえて、やっと視界をあげて、そんなあたしに啓吾が言ったのは、 「…どんだけ可愛いの」