啓吾の力強い瞳は、本気で見つめられたら逆らえなくなる。



「…なに、それ」


ねえ、啓吾。もしかしたらあんたもあたしと同じ?上手く伝えたいけど、中々出来なくて。同じだとそう思っていいの?
あたしが言葉を最後まで言い終える前に、



「黙れ」



薄い唇が、またあたしを塞ぐ。




「…俺は蒼が食いたい」


耳元で呟いた声は吐息交じりに甘くて、



本当に、ズルい男。



そんな仕草ひとつひとつが、全部、愛しい、とか死んでも言わないけど。




あたしは、もう拒む力も無くして、啓吾の腕の中で力を解いた。




Fin