幼なじみにわたしの生死がかかってる件


と言っても、スイのパパンママンは割と好きな部類に入る。少なくとも隣の家に住む自分の親よりは好きだ。




朝はいつもピザトーストを食べながら熱々のブラックコーヒーを飲む。


基本的に罵倒し合うわたしたちだけど食べ物の好みについて意見が割れたことはない。


最も、そのせいで揉め事に発展したりするのだが。(それはそれは壮絶な食べ物の取り合い!)


向かいの席に座って、トーストをかじる。

うむ、今日も絶妙なかりかり具合。

さすがコウさんです。


と。
スイが中腰になっていきなり腕を伸ばしてきたではないか!

えええ。


『な、なにをするのであるか!』


「騒ぐと撃つ。」


『…』


銃なんてものはここにはないのに本当に撃たれそうな気がするから不思議だ。


「ほら、コウはすぐ口の端に食べかすつくんだから気を付けろ。」


身構えた手も虚しく、スイは右手の親指でわたしの唇をごしごしと拭ってくれた。