わたしの命であるこの男前型巨人は、わたしの突かれたらすぐ割れちゃうシャボン玉みたいな繊細なハートをよくよく理解していながら無情にも教室に放り込むドSだ。
しかしこっちも負けちゃいられない。
頑としてスイの後ろを離れない。
スイが動けば瞬時に反応してその後ろへ、また動けばわたしも動く。
そんなことを6回くらい繰り返していた時だった。
「中野…。」
教室にすでに次の授業の先生がいて、哀れみの眼差しを向けていることに気づいたのは。
「なんですか。」冷静な声で淡々とそう言いながら、スイの手はわたしの右頬をぎりりとひねりあげている。
いってえええええええ。
声にならない叫びってこのことだよ!
痛すぎて声も出ないよ!
