春が来る、その先に。

『・・であるからして、
えー、入学してきた生徒の皆さん、
えー、どうかこれからの高校生活を
Enjoyしていってください。・・』

あの・・。
・・・・。

校長先生の話、
風島先生から長いとは聞いてたけどさ。


1時間・・って・・。。
普通こういうの15分程度ですむんじゃないの...?


ー・・校長の久松先生に礼! ー

いっせいにに礼をする上級生たち。
なんだかんだでちゃんと入学式っぽいね~・・。


『校長先生”えー、”の数多かったね』
『ほんとそれねw どこの校長もそうなのかな?』
『さぁー・・・?』

隣の女子たちがクスクス笑いながら小話してる。
ほんと。こういうの辞めてほしい。
・・、まあ。
かくいう私も校長先生の
”えー、”の数をカウントしていたわけだけど。

ー 
続きましてー、
生徒会長の言葉! ー

おっ、生徒会長の言葉きた!
どんな人なんだろ・・・わくわくする。


『新入生の皆さん、こんにちは』



ん?


んんんん!!!?!?!?


顔はよく見えないけど
この声には見覚え・・
じゃなくて聞き覚えがあるぞい!?

現役高校生の人気男性声優。
確か名前は・・・

『僕がこの高校の生徒会長を務めさせていただいている、
””坂野護””です。一応こう見えても...』



はわわわわ!
まさかこんなところにいたなんて!!!
ちょっと興奮しちゃいます。

体育館にいる
女子生徒たちのほとんどが
綺麗に澄んでいて、
ほどよく色気がある
その声に聞き惚れていた。


『・・これで生徒会長のからの
言葉を締めさせていただきます。』

ふぅ・・・・。
でもどんな顔してるのかは私も知らないんだよな~
ひょっとしてすごいブサイクだったりするのかな??←オイ

式台からこつこつ
と生徒会長の足音が遠ざかって
次の式目に入ろうとした。


遠ざかっていった生徒会長の足音が
なんか私の方に向かって
近づいてくるような....
そうでもないような。

ま、気のせいだよねー・・


「可愛いね、君。名前はなんていうの?」


・・・

「ねえ僕の声聞こえてる?」


・・・・・・


「ねぇってば、僕の声、聞こえてないの?」





・
・
・
ファ!?
耳元で囁かれた、
いや気のせいかも。


そっと後ろを向くと、

生徒会長さんが
爽やかスマイルを浮かべて立っていた。

「なぬあなな、ナンデココニイルノデスカ!?」
「シーッ、目立っちゃうじゃん?」
「い、いや、もうすでに目立って」

生徒会長さん、
さっき心の中で貴方のことを
ブサイクだったりするんじゃないかとか
一瞬でも思っちゃってごめんなさい。



あなたは紛れもなく



神話に出てくる王子様です。



「何してるんだ君たち!!」


いつの間にかお偉い先生にまで注目されていた。

っていうか私・・・・

生徒会長に
抱きしめられてる・・・???

「はいはいはい、坂野。
 とりあえずお前こっちこい。(ニコッ)」


風島先生!!助かったぁ・・・


って怖いですよ風島先生・・。


「んもー、いいとこだったのに。

じゃあ...またね子猫ちゃん♡」

チュッ






聞きなれない音が私のホッペから聞こえた。

ホッペがチュッって


ホッペに・・・チュッ・・?



ええええええええええええええ!!!!??


「なんで私!!!??」


わけわかんないわけわかめ!!!

なんでイケメソ王子様が私を抱きしめた挙句
ほっぺにチュッなんてするの!?!?
しかも先生や生徒が見てる前で!!!!

「うーーーー///お嫁にいけないぃっ」


恥ずかしすぎて泣きそうになった。




ぽんぽん


「か風島先生?」
気づいたら風島先生が戻ってた。

「ほんとお前今日イベントあるなー」
「お、、お兄ちゃんには言わないで・・・///」
「言う訳無いだろ。
てか、あいつなら・・」



「咲菜ーーーーーーーーーーー!!!」
遠いところから走ってくる男がいる。


ドタドタドタドタぎゅーっ

「ちょ、ちょお兄ちゃん!!」

「咲菜、無事か?怪我してない?何もされてない?!?」

「んもーぅ、大したことじゃないってば」

大したことじゃない・・・のか?
あれは。

と思っていそうな風島先生をよそに
兄ちゃんは仕切りに
私をなでなでしてる。

「あの・・お兄ちゃん?」


「はっ。ああ、ごめん・・。」

ついなでなでしちゃったテヘッ


・・・。冗談きついよ、ほんと。。

「おほん。式を引き続き挙行致します。
崎田先生は速やかに自分の席へ
お戻りください」

教頭からの注意を受けてお兄ちゃんは名残惜しく戻っていった。

「恭介ってやっぱシスコン・・・」

「え?」

「ああ、いや、何でもない。
・・とりあえずまた何かあったら
面倒だし
すぐそこにいるから呼べな?」

気遣いができる大人だなー・・・

こんな先生が担任でよかった!