風島先生が気を利かせてくれたのか、
静まり返った校舎を
緊張しながら歩く私に
「この学校の校長は
くそ話長いから覚悟しとけよ~?」
「さっきの戸嶋ってやつは
俺の元教え子だから」
「一応ここ元男子校なんで女子がクラスの3割程度しか居ないけどー、」
などと話に花を咲かせてくれた。
だから
教室までの時間はとっても早かった。
「ちょっと待っててな」
「はい。」
先生は教室に入って
「ちょっと話があるからよく聞けよ~」
と大声で指示していた。
私はというと。
なにしていいか分からず
とりあえず床に体操座り。
少し感慨にふけってしまった。
「雅なる 春は何処へ 流れてく
われこの思い 誰に届くかも知らぬ・・・」
春は雅。女性の乙女心が踊る時期。
その雅な春はどこへいってしまったの。
私のこの思い、どうすればいいのかなぁ・・・
「・・じま。 春島!」
「ははひふあ、はい!」
「教室、入っていいぞ」
「ぬぁ!了解ですますりんこ!!」
こういう時。
決まって私は変な
応対をしてしまうのであった。

