春。
出会いと別れの季節。
あれ?違ったっけ。
逆だっけな・・・

別れと出会いの季節。

うーん、これも違う気がする。

「うーん・・どっちなんだろう...?」

春島咲菜(はるじまさくな)
今、作文を書いています。
テーマは「春といえば」

思いっきり得意テーマなんだけど
この高校、
受験テスト内容に作文よこすなんて....

そう、今現在私が置かれてる状況は。

『あと10分で作文用紙集めるので書き終わったら頭を伏せておいてください』

試験内容に書かれていない要は
抜き打ちで作文テスト、
しかも時間制限ありで。
それが30分とか・・・
ありえない。

「うーん・・・どうしよう」

なかなか出だし内容が決まらない。
ほんとはスマホで
すぐ調べたいところなんだけど
あいにくテスト前に試験を受ける全員が
没収されている。

まぁ、携帯で調べたりなんかしたら、
絶対失格なんだけどね・・・。


「ええい、この際どうにでもなれ!」

とにかく受かんないと、
この高校を落ちたら
...もう行くあてがない。
偏差値は58で割と普通なんだけど、
今私が住んでる街の高校の中では
結構頭がいいところ。

行くあてがないというのは
電車で30分ほどの距離にある高校、
"ここ"しかないのです。
それ以外は1時間以上かかる。。


特別田舎ってわけじゃないんだけど、
なぜか高校の数が少なすぎる。

「ふぅ・・・終わった」

『はーい、これをもちまして
 本校の入学試験は全て終了です。
 前の人から順番に集めてください』

やっとこれで帰れる!
試験が終わったあと、
私はすぐに家に直行した。