笠倉くんに買い物に付き合ってもらったお礼をしたあと、2人と別れた。

何だかんだ言って、あの2人とても仲良しに見えて微笑ましく思えた。





「ただいまーー!」
「おかえりーー!」

どさっと買い物袋を置いて
床に仰向けになって倒れ込む。
するとお兄ちゃんが
執事っぽい顔で覗いてきた。

「こらこら、はしたないですよ(笑)」
「お兄ちゃんには言われたくない!!」

なによー、お兄ちゃんだって
上半身裸で風呂から出てくるくせに!!

ちょっとふてくされてやった。
「あはは、ごめんごめん」
素直に謝ってくれた。


「それより咲菜、友達できた?」
「ん、ちゃんとできたよバッチリ!」

そうか。
優しく微笑んでくれたお兄ちゃん。

学校の話をするとき、
決まってお兄ちゃんが私の頭をなでなでしながら聞いてくれる。
この時間が何でかとても安心するの。

「あのねあのね、近所にある花屋さんの息子さん、私と同じクラスだった!!」
「ほ〜う、かっこいい?」
「可愛い系かな....」

他愛のない会話。
でもこんな日常は、私にとって大切な時間だから。


お兄ちゃんは優しい。
他の人に羨ましがられるぐらいに。

10歳差なんだけど、
そうとは思えないぐらいの親近感。

小学校や中学校の参観日は、
おばあちゃん達に代わって
いつもお兄ちゃんが来てくれた。

『俺は咲菜のこと、いつも見てるからな』

普通に親がいる人には
分からないと思うけど、
てかこの言葉、ある意味ストーカーに思えるかもだけど、

見守られながら生きるって
大切だよね。


「着替えてくるー。」
「てらー」

けどやはり完璧ではなくて。


自室に戻りひと呼吸。

「ふう........暑かった....って...んん?」

着替えながら壁を見る。

あの小さな物体....
まさか...

_人人人人人人人_
> G様降臨 <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄


「ぎゃぁぁぁぁぁッッッーー!!!!」


「どうした咲菜!!!!」

ダンっとドアをいきなり開けられて

「い、い、いやああああっっ!!」
「だぁぁっつごめん!!」


G様いるわ、
お兄ちゃんに着替え姿みられるわ、
なんつー。。

「咲菜ちゃん恭ちゃん、どげんしたがや!!??」

「お、おばおばあちゃん、ゴキブリ....」
「なんだい、そげなことかいな。ほれ恭介、履き物持ってきんしゃい」
「は、は、はい!」
「全く。恭ちゃん男じゃろ? ゴキブリ如きで叫びなさんな...」
「いや、あ、そのなんつーか....」
「なんだね?そげに顔ば赤くして」
「............。」

こういうことが、日常茶飯事だ。

けど、
完璧すぎないこんな家族が
ちょうど良かったりする。