ゴハンに行くと決まった以上、上司を待たせるわけにはいかないと祥子は残りの仕事を早急に片付けることにした。

俊樹と話したことで、喉はカラカラに乾いていたが、ぶっちゃけ喉を潤すような暇はない。

隣にあるお茶を横目でチラ見しつつも、仕事に没頭した。

時計の針は、もうすぐ9時半になるところ。

グンッと両手を上げ、力いっぱい背伸びした。

「終わったのか」

突然、低い声が後ろから聞こえ体がビクリと反応した。

「はっ、はい」

敬礼でもするかのように、慌てて立ち上がり背筋をピンと伸ばした。

「だーかーら。お前、俺のことビビりすぎなんだよ。ったく…」
「す、すみません…」

わざとらしく、溜め息を吐く俊樹に祥子は謝ることしかできなかった。