つまらない唇【短】

そんなこと、こっちが聞きたい。

一年付き合った彼氏に、突然突きつけられた言葉。

「このままだと、エッチもできなくなりそうだから別れよう、って…」
「ふーん」

え、それだけですか!?

頑張って話したのに、「ふーん」だけですか!?

祥子は、だんだんと恥ずかしくなり下を向いた。

「おい」

俊樹に呼ばれ、ゆっくりと顔を上げれば右手で自分の隣を指差し“隣に来い”と言ってるようだった。

「え」
「早くしろよ」
「はっ、はいィっ」

祥子は慌てて立ち上がると、俊樹の隣へ遠慮がちに座った。