最愛 ーサイアイー




そこからは、あまり記憶がない。




タクシーで来たのだろうか?



気がつけば、目の前には手術室。



ドラマで見たことのある、扉の上のランプは赤く光っている。





ーーバタバタッ




「優也くん?!」



夜の静まり返った病院に、声が響いた。




ろくに働かねぇ頭で、ゆっくりと後ろを振り返る。




「はし……もと?」



「どうして優也くんもいるの?もしかして、優也くんも聞いたの?!」



俺もってことはーーこいつも聞いたのだろうか?



瑠衣の事故のことを。




「まさかーー死んだりしないよね?!」



「わかんねぇ……」