コンコン… 「どうぞ。」 凛とした低い声。 理事長の声かな…? 「失礼します。」 …どれくらい時間がたったんだろう。 二時間?いや、二分かな? なぜか、とても長く感じられた。 「で、この人が君の担任の羽野(はの)先生。 吹奏楽部の顧問をされている。 それと、これが部屋の鍵ね。 念のため2つ渡すけど、なくしちゃだめだよ。」 「はい…。ありがとうございます。」 「それじゃ、行こうか。」 羽野先生が私の手を引いて歩いていく。