「きゃっ!!」


走り出した途端、誰かにぶつかった。



「花音!ごめん、大丈夫?」



結愛だった。


隣には、恋人つなぎをした真くんがいた。



「今から、翼先輩に気持ち伝えてくる。」



私がそう言うと、結愛は繋いでいた手をほどき、わたしの体に手をまわした。



「そっか。頑張って!絶対、うまくいくから。帰ってきたらさ、嬉しい報告があるから聞いてね!」


「うん、分かった。」



嬉しい報告という言葉だけで分かる。


付き合えたんだね。


よかったね、結愛。





私はまた、走り出す。