「転校するって言ったらどーする?」 すべてはこの言葉から始まったんだ。 いきなり、お母さんが真剣な顔をしてそう言った。 「え?するん?ほんまに?」 私はただ、びっくりしていた。 でも、なぜか少しワクワクしたんだ。 「お父さんの会社、つぶれるねん。 だから、この家もおられへん。 この近くに引っ越すこともできるけど、 奈良のおばあちゃん家のところにいこうかともおもってる。」