はぁっとため息をつき、階段を降りてゆっくりと玄関のドアを開けた。 「何先に帰ってんだよ」 そしたらまず最初にそう言われて。 「俺が悪かったよ…昨日は」 涼は頭を掻きながら小さな声であたしに謝った。 「……」 「ごめんな…」 調子が狂う。 ムカついていたのに、こんなふうに謝られたら、何も言えなくなっちゃうじゃん。 「ごめん…あたしも先に帰ったりして」 そして、あたしも涼に勝手に先に帰ってきてしまったことを謝った。