「はぁっ…」 まただ。 涼たちと駅前で別れてからずっと。 ユリは明らかに様子がおかしかった。 「何ため息ばっかついてんだよ」 何度も耳に入ってくるため息。 いい加減、そう聞かずにはいられなかった。 「別に…何でもない」 「嘘つけ」 「嘘なんてついてないし…」 横並びで走る自転車。 隣にいるユリはそう言うと、またひとつため息をつく。 絶対変だろ。 さっきサッカー観てる時は、あんなに楽しそうだったのに。