簡単な朝食を用意して、優貴を起こしに行く。







藍と『将来、子どもが出来た時の為に』と用意していた空き部屋を、優貴の部屋にした。







思いもよらず早くやってきた、『将来』







でも、子どもはやって来てくれたけれど、藍がいなくなってしまった『将来』







どこにもぶつけられない悔しさを握り締め、優貴が寝ている部屋のドアをノックする。








優貴は、ちゃんと眠れただろうか。







朝から暗い顔なんか見せられない。







笑顔を作り







「おはよう、優貴」







勢い良くドアを開けると







優貴はぐっすり寝ていたけれど








頬に涙を流した跡が残っていた。