3人で藍の作った料理を食べる。
元々藍は、料理が下手なワケではなかったが、一緒に暮らすようになってから格段に上手くなった気がする。
今日の料理も美味しい。
でも、優貴に藍が『お口に合うかな??』と聞いても、優貴は返事もせずただ黙々と目の前に置かれた料理を口に運んでいた。
「ワタシが何か悪い事をしたんだったら、ちゃんと謝るから言ってくれないかな?? 気付かないワタシが悪いんだと思うけど、優貴くんに嫌われてる理由が分からない」
さすがにカチンときた様子の藍が、箸を置いて優貴に強い視線を送った。
「別に」
それでも優貴の態度は変わらない。
「・・・・・・・・・そっか」
そう言うと、藍は優貴に話しかける事をやめた。
藍は子どもに気に入られようと、子どものご機嫌を取る様な人間ではない。
子どもだろうと大人だろうと、理不尽な事をする人間の相手はしない。
この後、別れ話を切り出さなければいけないのに、『藍のこういう所がやっぱり好きだな』と思ってしまう。