「・・・・・・・・・・うん。 優貴のお母さんは優子だけ」







宥める様に優貴の頭を撫でる。






藍は、誰に紹介しても自慢出来るくらい素敵な女性。







だけど、母親を失ったばかりの優貴に『新しいお母さんだよ。 受け入れて』なんて無理がある。










「・・・・・・・・・・親父、オカン。 ゴメン。 ・・・・・・・・オレ、藍とは結婚しない」












声が詰まった。








藍と結婚したかった。 大好きだから。 悔しくて、悲しくて、苦しくて。







でも、愛する藍に『他人の母親になってくれ』なんて、言えるわけがない。







オレが藍を幸せにしたかった。







でも、藍なら自分の力で幸せになれる。







オレが愛した人は、そういうヒト。