「---------そーんな、キレイ事を言い続ける優しい大貴くんを、藍は好きになったのかしらねー。 ねー?? 藍」
そう言いながら、ポケットから携帯を取り出してはスピーカーに切り替えるお義母さん。
『お母さん!! 優貴の前でこっ恥ずかしい事言わないでよね!!』
携帯からは藍の声が。
「そーなの?? オカン」
優貴が平然と意地悪そうな顔で、携帯の向こうの藍に話しかける。
『優貴、イイ子だから黙ろうか』
当たり前の様に返事をする藍。
え?? 何コレ??
「・・・・・・・・・・・どういう事ですか?? 藍、何で??」
「何でって。 藍に電話掛けてからずっと繋がってたのよ、この携帯」
シレっとお義母さんが答えれば、携帯の奥で『ククク』と笑う藍。
・・・・・・・・・・・・という事は、学校でのオレらのやり取りを、藍はシゴトをしながら聞いていたって事か。
もう。 何ソレ。 科学進歩しすぎ。
「優貴、知ってた??」
優貴に視線を落とすと
「当然。」
当然て。 知らなかったのオレだけかよ。



