『大貴くん、この電話繋がっているんでしょう??』
突然名前を呼ばれて、肩が『ビク』っと動いた。
優貴の携帯を借りたらしい、お義母さん。
「あ、ハイ」
慌てて返事をすると
『ワタシ、今から校長室に乗り込むから、大貴くんも持ってるシゴト藍に任せてこっちに来て。 どうせ、この加害者たちの親も学校に呼ばれる事になるだろうから、顔合わせて話し合いましょう』
お義母さんが、法廷前と同じテンションでやる気満々になっていた。
・・・・・・・・・・・加害者って。 確かに害を加えたヤツらだけれども・・・・・・・。
お義母さんが入ってきてしまった事により、おおごとになってしまった事態に頭を抱えていると
〔シゴトはワタシに任せて行っておいで。 容赦ないお母さんが心配なんでしょ?? でもね、ウチのお母さんは容赦はないけど愛情はあるんだよ〕
メールを送ってきた藍が、オレの方を見て『大丈夫』と口パクした。
〔そうだね。 オレ、早退するわ。 藍、悪いけど後よろしくな〕
メールを返し、笑顔で頷く藍に『行ってくるね』と小さく手を振り、優貴の学校へと急ぐ。



