〔何でお義母さんが優貴の学校にいるんだよ!!〕
急いで藍に返信。
〔だって、あらかじめ今日優貴がヤられちゃうのは分かってたワケだし、ワタシ身重で動けないし、よくよく考えて、大貴だってどんなに急いでも学校まで30分はかかるじゃん?? だから、お母さんに頼んでおいたの。 ノリノリで引き受けてたよ、アノヒト。 『ウチの事務所にはワタシがビシビシ扱いて育てた優秀な弁護士がいるから、ワタシのシゴトを任せても支障ない』とか何とか言って〕
藍からのメールに、目を閉じて溜息。
〔お義母さん、容赦ないじゃん〕
藍に送信したところで
『おばさん誰?? 警察?? 部外者は学校立ち入り禁止なんだけど』
携帯から、優貴に暴力を振ったであろう子どもの声が聞こえた。
『部外者じゃないわよ。 優貴の祖母。 因みに弁護士。 キミらの暴行の証拠はしっかりカメラで押さえさせてもらったから。 さて、逮捕しましょうかね。 逮捕ってね、警察の特権じゃないのよ。 民間人にも出来るのよ』
そして、聞かれてもないのに『弁護士』を強調するお義母さんの声も聞こえてきた。
『・・・・・・・・・・・・・・』
そして、音が消えた。
通話が切れたワケではない。
子どもたちは、お義母さんの圧力に押されて言葉を発せなくなったのだろう。
『イジメは悪い事』という認識を持ちながら行っていた子どもたちには、『弁護士』は脅威でしかないだろう。



