藍の方に目をやると、藍は既に携帯に差し込んだイヤフォンを耳に装着していた。
慌ててオレもイヤフォンを携帯に繋ぎ、耳に入れる。
『殴るなよ、藤井くん!!』『何で蹴るの、佐和田くん!!』
携帯から、暴行を受けながらも藍の指示通りに行動する優貴の声が聞こえた。
優貴!! 助けに行かなければ!!
椅子から立ち上がった時
『ハイ、そこまでー。 現行犯で逮捕しまーす』
携帯から、聞き覚えのある大人の声がした。
藍に目を向けると、藍が『クックッ』と肩を上下に動かしながら笑っていて
藍はオレの視線に気が付くと、したり顔をしながらパソコンのキーボードに手を伸ばした。
オレのパソコンに、藍からのメールが届く。
〔お母さん、登場ー!!〕
・・・・・・・・・・・・えええええぇぇぇぇぇえええ!!!!
それはダメだって!! 藍!!



