「・・・・・・・・・・・・・何ソレ。 そのダサ・・・昭和レトロな作戦、どうやるの??」








『ダサイ』を慌てて封じ込む。 迂闊な事を言って、折角沈静化した藍の怒りに火を点けてはいけない。








「優貴、優貴に危害を加えてくるヤツらに、思い切って『オレはキミらが大嫌いだ』って宣言しなよ。 あ、女子が居る前でね。 クラス全員がいる時に言えるのがモアベター」







「・・・・・・・・・・・えー。 まじでそれやるの?? アイツら怒らせるだけじゃん」








藍の提案に、優貴が難色を示す。 







・・・・・・・・・・・てか、そりゃそうだ。








「今からワタシが言うセリフ、暗記して。 『オレはキミらの事が本当に大嫌いで、気持ち悪くて仕方がありません。 だから、金輪際近づいて欲しくないし、オレの持ち物にも触らないで頂きたい。 なぜなら、キミらの事を吐き気がする程気持ちが悪いと思っているからです。 オレを話題にして話をされるのも迷惑に思っています』 はい、覚えた??」







辛辣すぎる藍のセリフ。








でもナルホド。 この作戦が上手く行けば、優貴は殴られも教科書を隠されも悪口を言われもしなくなる。









「いい??優貴。 毅然として言うんだよ。 『オレがオマエらに嫌われているんじゃなくて、オレの方がオマエらを嫌っているんだよ』っていう事を上手く醸し出すの。 女子の前で、そいつらのプライドへし折ってやれ」








映画監督さながらに、優貴に演技指導までしだす藍。








「・・・・・・・・・・・・この作戦、上手く行く??」








優貴は子役でもなんでもない為、不安があるらしい。








そりゃそうだ。