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プレゼント選びじゃなくて、会場選び担当になれば良かった。
1年が終わる打ち上げも兼ねていることは知っていたから、先に言っておいたのに。こうなることは予想できないこともなかったけれど。大人数で騒げる場所なんて、限られてるし。
「カラオケは嫌だって言ってたんだけどなぁ」
ポツリと呟いた言葉は、早くも騒がしくなるクラスメイトたちの声に掻き消された。
ソファーの端に座って、飲み物や食べ物を注文する役割を受け持つことにした。碓氷くんも助けてくれるみたいだし、騒ぎすぎて通報されるようなことはないだろう。
これなら、無理に歌わせてくることもないだろうし、楽でいい。
「桃ちゃーん、飲み物はとりあえず来るしこっちおいでよー」
「食べ物頼まなきゃ。それよりほら、主役のこと盛り上げて」
朝奈の方に目を向けると「今日は俺のためにありがとう」とおどけてみせて、みんなを湧かせた。
その間に、ひとまず頼めるものは頼んでおく。今日は忙しくしてるのが、わたしには一番良さそうだった。



