あのあとすぐに現像した写真は、勉強机に飾った。数枚撮ってもらったのから、一番みんながよく写っているものを選んで。

写真の中のわたしは、ちゃんと笑顔だった。


今さら、なんだけどバカみたいに思うことがある。告白はしたほうが良かったのかなって。
これでいいと思ったくせに、全然だめだ。碓氷くんは悪くないのに、碓氷くんのせいにしようとさえしてる。


「あ、今鳴ったよー。お姉ちゃん、ちょっと出てー」

「えー、自分が出てよ」

「今手が離せない!」


まったくもう。わたしよりリビングに近い部屋のくせに。

仕方なく部屋を出てリビングへ向かう。宅急便でも来たのかなあと「はい」と短く出た。


「……え?」


宅急便では、なかった。


「ごめん。ちょっと出てくる」

「は~い。いってら~」


ニヤニヤしているのがわかる妹の声を無視して、わたしはエレベーターまで走る。

すでにエレベーターに乗ったのか、2階を示していた。どうしよう、どきどきしてきた。


もうこんなこと、ないと思ってたのに。