そう答え、ピースサインをしてくるいろはちゃん。


「ねぇ……いろはちゃん、1つ聞いていい?」


「なに?」


「ここのお風呂で……視線とか、感じたことない?」


「視線?」


あたしの言葉にいろはちゃんは驚いたように目を丸くした。


やっぱり、いろはちゃんは視線を感じことはないみたいだ。


「ツムギちゃん、誰かに見られてたの?」


「ううん。たぶん、あたしの気にし過ぎなんだと思う」


ブンブンと首を振り、いろはちゃんの不安を振り払う。


「ねぇ、もしかして昨日の夜光本君が寮を抜け出したのって……」


「……うん。あたしのせい。あたしが、お風呂で視線を感じるって言ったら、竜季が来てくれて……」