そう呟いたとき、部屋のドアがいきなり空いてあたしは思わず「きゃっ!?」と、悲鳴を上げた。


「あぁ、ビックリした! 今日からの新人さん?」


部屋から出てきて柔らかな口調で言ったのは、ショートカットでふっくらとした女の子だった。


幼い顔立ちをしている。


「あ、はい。柳井ツムギです」


「ツムギちゃんって呼んでいいかな? あたしは福留いろは(フクドメ イロハ)呼び捨てでも、ちゃん付けでも、好きに呼んで?」


そう言い、手を差し出してくる。


あたしはその手をおずおずと握り返し、その柔らかさに驚いた。


いろはちゃんは見た目も中身も、ふわふわっとした女の子らしい子みたいだ。


「いろは……ちゃんも、1年生だよね?」


「もちろん、明日入学式だよ。この女子寮は2年生は2階で3年生は3階が部屋になってるみたい。


だから1階にいる生徒たちはみんな明日入学の1年生ってこと」


「そうなんだ」