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それから髪を乾かして寝る準備をしていると、いろはちゃんがお風呂から戻って来た。


いろはちゃんはいつも通りの雰囲気で、「いいお湯だったね」と、微笑む。


「あのさ……いろはちゃん」


「ん、なに?」


「あのお風呂ってなんか不思議じゃない?」


そう聞くと、いろはちゃんはキョトンとした表情を浮かべて「不思議?」と、聞き返してきた。


「な、なんか……ほら……」


『視線を感じる』と言うべきかどう悩んであたしはモゴモゴと口ごもる。


「なに?」


「お、お風呂、なんか寒くなかった?」