寒さで手足がしびれ、感覚がマヒしそうになる。


その時だった。


「ツムギ!!」


竜季の声が外から聞こえてきて、その瞬間あたしに体温が戻ってくるのを感じた。


今までの寒さが嘘のように消えてなくなり、お湯の温かさに包まれる。


そして、それと同時に絡みついていた視線がパッと消えてなくなるのを感じた。


「竜季……!」


恐怖で泣きそうになりながら、あたしは転げるように浴槽を出たのだった。